大阪城東福音教会

メッセージ

「愛の成長」

牧師 大倉 昭元


 四月、入斈シーズンです。ピカピカのランドセルを背負った新入生の姿には、希望が充ちていて、ほゝえましい姿です。

 あなたが、初めて、教会の門をくぐられた時は如何だったでしょう?京橋駅で下車し、やっと見つけた京橋総合文化斈院のビル、こわごわドアをあけた時の氣持。一人の方は礼拝にこられてドアをあけた時、クリスチャンの雰囲氣に包まれ、『私の来る処はここだ』と直感したそうです。

ーー信仰の入門は、十字架の愛を通して。

 教会の建物にはよく十字架が建っています。聖書を通じて、十字架を斈んで行く時、今まで考えていた十字架とは全く異なった精神が蘇ります。無実のイエス様が私の原罪の贖罪として命を捨てた。大いなる愛の表現であります。  父を憎んでいた一姉妹が、十字架を通じて反省の魂が蘇生して、父への思いが一掃し、信仰の念が燃えてきた事実がありました。

       成長は兄弟姉妹の愛を通じてーー

 信仰の入斈はあっても、卒業はありません。そこで斈ぶ斈課は『アガペー』(愛)です。その斈びはまた実践されねばならないものです。

 教会の中では、お互いに親密度が増して行く時、相手の弱さを知るようになります。弱き故に礼拝に参加しない方に対して、私は何をさせて頂けるだろうか、と考える様になります。勿論祈ります。具体的には、その方に電話をしたり、訪問するなどの方法が考えられます。

良きサマリヤ人(ルカ10:30-37)のように、相手のために、喜んで、犠牲するものと成長して行きます。

私は、これまでの自分の信仰生活を振り返るとき、牧師や、先輩の励まし、食事のお招き、度度の訪問であったことを思い出します。一寸した愛の一言で、弱っていた心が、何度か引き上げられたことでしょうか。

愛は人を正しい者へと、成長させて行きます。どうぞ、受けた愛、斈んだ愛をお互いに活かし、共に成長して行こうではありませんか。




*大阪城東福音教会記念誌『福音のしもべ』より1983年4月号を掲載いたしました。
氣(気)、斈(学)など一部の漢字は原文のまま旧字や俗字の表記にしています。