大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


エブス人 アラウナ


 アラウナはダビデの町(エルサレム)の北側にある打ち場で仕事をしていました。麦の収穫時期には全く 雨が降らないので、野外に設けられたところで主に牛を使って脱穀をしていました。彼はユダヤ人ではな くエブス人です。彼らはダビデがエルサレムを征服するまで、その町を支配していました。アラウナはそ の後もエルサレム近郊にとどまり、名の知れた人物でした。

 老年のダビデ王が自分の長年の治世の結果、人口がどれだけ増えたかを知りたく人口調査をしまし た。その結果130万人の兵力を持っていることがわかり、自己満足になり、高慢な思いをもった時、ダビ デは良心に痛みを覚えたのです。人は数の多さですぐ自己満足になりやすく、相手より優れていると考え るのは罪からくる思いです。預言者ガデから罪を指摘され、ダビデは3日間疫病の罰を求め、その結果7 万人が死にました。

 預言者ガデはダビデに「エブス人アラウナの打ち場で主に祭壇を立てなさい」と命じ、ダビデはすぐに従 いました。高台にいるアラウナはダビデと彼の従者が自分の所に来るのを見てきっと驚いたことでしょ う。王とその一行を迎える準備は何一つできません。アラウナは仕事をすぐにやめ、急いで王のところに 出かけて深々と頭を垂れて敬意を表しました。アラウナはダビデに「どうしてここに来られたのですか?」 と尋ねると、ダビデは「自分は罪を犯したので預言者ガデがこのところに来て、あなたの打ち場を買い取 り祭壇を築くように命じたためです」と答えました。アラウナは自分の周りで原因不明の病気で死ぬ人が いる真の理由を知りました。アラウナはすぐに祭壇を築くために牛も薪も必要なものはすべて捧げます ので自由に使ってくださいと申し出ました。

 このところから彼が裕福な人であり、何が大切か判断できる有能な人であることが分かります。また礼 拝の重要さも理解しているところから彼も信仰者と見ることができます。ダビデは彼の申し出を感謝しつ つも代価を払って打ち場を買い取り、燔祭を捧げたことで災いが収まり安堵しました。アラウラも神の命 令通りに自分の所有地の打ち場が神に用いられたことを感謝しました。その打ち場は昔アブラハムがイ サクを捧げた所であり、後にソロモンが神殿を建てる場所になる所です。 参照 サムエル記下 24:1~25