大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


楽人 アサフ


 彼はレビ人で、先祖は祭司の下でさまざまな儀式にかかわる奉仕をしていました。ダビデ王が礼拝に 関して大改革を行い、レビ族は三階級に分割され、第一の階級は祭司に直接仕え、第二の階級は神殿 における楽人となり、第三階級は神殿及び門の守衛と分けられました。

 アサフは楽人で、神殿で歌を歌う奉仕にあずかり、楽長に選ばれました。彼の兄弟たちは主の契約の 箱の前で毎日賛美する奉仕が与えられました。これまでの礼拝は正装に身を包んだ大祭司が動物をさ さげることでしたが、神殿での礼拝がこれまでとは一変しました。賛美する時にシンバルを鳴らし、立琴 や笛などの楽器も多く用いられるようになってきました。神殿礼拝に出席した人々は新鮮に感じる人もあ れば、これまでの厳粛さがないことに物足りなさを覚える人もいたかも知れません。日本でも長い間教会 ではオルガン演奏で賛美をしていましたので、ギターやドラムが持ち込まれた時、教会にふさわしくないと いう意見も多かったものです。

 アサフは礼拝の中で賛美しつつ、預言をしていました。このことを思いますと神殿での賛美が霊的な中 でなされていたことが分かります。私たちの教会でもそのような時がもたれています。賛美の中で、預言 をすることでアサフは先見者とも呼ばれています。賛美の中で預言をする時メロディーに合わせて歌いつ つなされたかもしれません。

 詩篇の中にアサフの歌と呼ばれる賛美が12篇含まれています。もちろん特色ある12篇はアサフとその 子孫が作った数ある賛美の中から選ばれたもので、それ以外の曲も多くあったことでしょう。アサフは賛 美を指揮しつつ、作詞作曲もしていたので彼の音楽の才能は楽人の中でも突出していたと思われます。 アサフが作詞したものにはイスラエルの歴史の中で神の力強い働きが「くすしきみ業を行われる神」とし て崇められ、彼の信仰の大きさが分かります。アサフの「悩みの日に私を呼べ、私はあなたを助け、あな たは私を崇めるであろう」(詩篇50:15)は今も多くの人々に励ましを与えているのではないでしょうか。 参照 歴代志上 16:4~7 16:37