大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


ダマスコに住む弟子アナニヤ


 使徒行伝を見ますと福音は12弟子と信じた者によってエルサレムからユダヤ、サマリヤ地方へと少し ずつ拡大していき、シリヤ州の都ダマスコにもクリスチャンの群れができていきました。当時エルサレム にいる律法学者やパリサイ人たちはキリスト教を認めず、エルサレムに住むクリスチャン達は厳しい迫 害を受けていました。その急先鋒のサウロ(後のパウロ)がダマスコにいるクリスチャンを迫害するために 来るという噂が広がっていました。

 その町にクリスチャンを指導する弟子アナニヤがいました。迫害が起これば自分たちはどのように対 応すべきかを考え、また祈っていました。そのような状況の時、サウロが「まっすぐ」という通りに面したユ ダの家にいることを祈りの中で主から示されました。すでに彼がこの町に来ていることを知らされ、主が 迫害するサウロのために祈るようにと言われたのです。(サウロはダマスコへの途中、天からの光に照ら され目が見えなくなっていました)

 アナニヤは主の言われたことばを考え、迫害に来たサウロのところに行けば捕えられる可能性もある と考えました。しかし弟子としてのこれまでの歩みからして自分のことより主から与えられたみ言葉に従っ て生きてきたこと確認することで心が定まりました。その時アナニヤに対して主は、「サウロは私が選ん だ特別な器である」と明らかにされました。アナニヤはユダの家に行き、サウロの頭の上に手を置いて祈 ると目からうろこのようなものが落ち、彼は見えるようになりました。アナニヤはすぐ彼に洗礼を施しまし た。

 アナニヤは迫害者サウロでも救主イエス・キリストを信ずれば人は救われることを目の当たりにし、ど のような人でも人は救われるということを固く信じることができました。迫害者サウロは主を信じて変えら れた後、その町にいる主の弟子たちと数日間を共に過ごす中で、アナニヤからどのようにして自分に会 う機会が与えられたかを順序よく聞き、ほかの弟子たちも主がこれからサウロを大いに用いて福音がユ ダヤ人だけでなく、異邦人にも伝えられることを信じました。サウロは自分が救われるために、主が言わ れた「迫害する者のために祈れ」を実践する多くのクリスチャンの祈りと共に、アナニヤという祈りの人を 主が用いられたことがわかり、主に用いられる秘訣は祈りであることをしっかり学ぶ時となりました。 参照 使徒行伝 9:10~1