大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


モーセの母 ヨケベデ


 ヨケベデは同じレビ族の男性と結婚し、長女ミリアム、長男アロンが与えられました。エジブトに在留す るイスラエル人が増大する中で、脅威を感じたパロは男の子が生まれたら、ナイル川に投げ込めと厳し い命令を下しました。そのような状況の中でこの家に生まれた赤ちゃんが男の子でした。かわいい赤ち ゃんを世話すればするほど愛情が深まり、いくら命令であっても自分の手でわが子をナイル川に投げ込 むことなどできないことです。でも見つかれば殺されるので母親としてとても辛く苦しい気持ちで日々過ご していました。

 3ヶ月が過ぎ、泣き声も大きくなり、家では育てることが難しなってきました。川に投げ込めば、鰐に食 べられる危険があります。あれこれと祈り考える中で、パピルスで編んだかごに、防水用のアスファルトと 樹脂を塗り、誰かがわが子を助けてくれることを信じつつ、ナイル川の岸に生えている葦の中にかごを置 き何度も後ろを振り返りつつその場を去りました。丁度その時パロの娘が身を洗うためにそこに来てか ごを見つけ、ふたを開けると赤ちゃんが泣きだし、かわいそうに思っていた時、ミリアムが「この子のため に乳を飲ませる乳母を呼んできましょう」と言って母を連れてきたのです。なんという機転でしょうか。パロ の娘はヨケベデに「その子のために私の代わりに乳を飲ませてください。その報酬を差し上げますから」 と頼んだのです。ヨケベデにとって考えられないことが起こったのです。これは彼女が祈った神の答えで す。人生どうしてよいかわからない時があります。そのような時こそヨケベデのようにとにかく祈ることで す。

 乳離れするまでの数年間、ヨケベデはこの子はいずれ宮廷で生活をすることが決まっているので,祈り の時を多く持ったことでしょう。ヨケベデは王宮にこどもを連れて行く時が来ました。二度目の別れの悲し みの中で、最善をされる主を信頼しつつ、パロの娘にわが子を委ねました。この後ヨケベデのことは何も 記されていません。モーセが成人するまでに亡くなった可能性があります。モーセという名はパロの娘が モーセを水の中から引き出したことでつけられた名前です。その後モーセは晩年特別な使命が神から与 えられエジブトにいる同胞をエジプトの苦役の中から導きだし、カナンの地に導く指導者になりました。  参照 出エジブト記2:1~10  民数記 26:59  イザヤ45:1~4