大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


祭司サドクの子 アヒマアズ


 ダビデの子アブサロムが反乱を起こし、王ダビデはエルサレムから急いで脱出してヨルダン川を渡り、 マハナイムに着きました。地の人はダビデとその軍隊に必要な糧を準備しました。

アブサロムはダビデの軍隊と戦うため全軍を卒いてヨルダン川を渡りました。戦場はエフライムの森で行 われ、アブサロムの軍隊は慣れない条件のため方向感覚を失い、バラバラになっていったようです。ア ブサロムは騾馬に乗って森の中を進んでいる時、彼の頭が樫の木に引っ掛かり、騾馬が走り去ったの で、木にぶら下がった状態でどうもできずもがき苦しむ中で、将軍ヨアブの手によって殺されました。

戦いが終わったので、ヨアブはダビデ王に知らせるために王の直属の奴隷であるクシ人に報告を任せた のですが、ヨアブの側にいるアヒマアズも報告したいと強く求めたのです。ヨアブはダビデの心をよく知る 人で、王に息子の死を伝えるなら、王を悲しませることになるので行かないようにと言うのですが、彼の あまりの熱心さに負け行くことを許しました。王のもとに行きたい理由の一つは彼の俊足です。先に走っ ていったクシ人よりはやくダビデに報告できると考えていたのでしょう。

アヒマアズは走り、途中でクシ人を追い越し、ダビデ王の前に立ちました。王に戦いが勝利したことを伝 えたのですが、「若者アブサロムは無事ですか」と尋ねられ、アヒマアズは王の心にはアブサロムは反逆 者としてではなく息子としか考えない親の甘さがあることを見抜きました。今この時、死んだと言う言葉は 控えるべきだと考え、「騒ぎを見ましたが、、、」と言って口をつぐんだのです。

アヒマアズは王に足の速いことを認めてほしかったのですが、知っていることは何でもありのまま語るべ きではないことを学びました。ヨアブの言った言葉が後になって理解できるようになりました。若いと物事 の一面しか見えないことが多いのです。人生にはいろいろなことがあり複雑です。彼は語ること以上に聞 く人の心にもっと注意すべきだったと悟ったことでしょう。その後もダビデに仕え、その後王になったソロ モンの娘と結婚し,ガリラヤ湖の北にあるナフタリの地の代官となりました。 参照 サムエル記下 18:1~33 列王紀上 4:15