大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


ダビデ王に礼拝の場所を提供したアラウナ


 アラウナはエルサレム市内に畑を持ち農業を営んでいました。ある日高台から下の方を見ると、高貴 な人たちが自分の方に近づいて来るのが分かります。良く見るとダビデ王の姿も見えました。王から何 の連絡もなくどうして私のところに来られるのかを考えたのですが、理由はどうしても分かりません。

 ダビデ王は晩年に人口調査を命じ大きな罪を犯しています。普通は徴兵や税金のために行われるの ですが、今回は自分の統治によってどれだけ人口が増えたのかを知ろうとしたのです。ダビデの心を見 抜いた将軍ヨアブは「このことは主が喜ばれることではありません」と忠告するのですが、ダビデは自分 の主張を無理に通したのです。人の心に名誉欲が起こされ権力を持つと、何としてもそれを実現しようと する傾向がとても強いように思います。ダビデの心にはこれまで主の恵みによって生かされてきたという 気持ちから、自分がこの国を治めたから豊かになったと考えて、歴史上にその名を残そうとしたのです。 バビロンの王ネブカデネザルも同じ罪を犯しています。

 その後ダビデは自分が犯した罪に気づくのですが、神はダビデの罪に対して三日間国に疫病を起こさ れました。預言者ガデはダビデに対してアラウナの打ち場に行き、そこで祭壇を築き、燔祭を捧げること を命じました。ダビデはそのようにさせてほしいとアラウナに願った時、アラウナは燔祭に捧げる牛も、た きぎにする打穀機もあります、今すぐでも燔祭を捧げることができますと返事をしました。アラウナはエブ ス人ですが、日ごろから礼拝を大切にしていたからこそ、すぐそのように言えたのです。ダビデから預言 者のことばを聞くなかで、土地の所有者として、自分の名前が主に覚えられていたことで、これまでの生 き方が主に認められていたことを感謝したことと思います。

 ダビデはアラウナの申し出に感謝しつつも、礼拝で捧げるために必要なすべてを買い求め、主に燔祭 をささげて祈り、罪赦されたのです。その後ソロモンによって、その場所に神殿が建てられました。アラウ ナがもし長生きしていたなら、ソロモンの神殿を見る時、自分の地所が聖なる礼拝をする場所として用い られていることに感慨を覚えたことでしょう。 参照 サムエル記下24:10~25