大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


人々を励ますステパナ


 ステパナはコリント人への手紙の中に登場していますが、ギリシャのアカヤ州の人です。パウロの伝道 を通して福音を聞き、イエスを救い主と信じた人物です。彼が受けた恵みは彼にとどまらず家族におよ び、アカヤ地方で最初のクリスチャンホームとなりました。

 その後ステパナ一家はコリントに移り住みました。当時はクリスチャンホームが礼拝の場所として用い られていました。彼の家には日曜日の礼拝以外でも、いろいろな人の出入りがあったと思います。信仰 上の相談や個人の悩みがある場合、誰に話そうかと思うと、どうしても人を選ぶことになります。彼は教 会の中で相談できる一人で、心を開いて人の話を最後まで時間をかけて耳を傾ける人だったのでしょ う。悩んでいる人は今の自分をありのまま受け入れて欲しいのです。信仰をもって間のない人を育てるた めには、重荷のある人が声をかけ、個人的な交わりの時を持つことです。私たちの教会もこのようなき め細かい働きができる人がさらに与えられるなら、お互いの愛のつながりがより深まるようになります。

 ステパナは教会の必要のために二人のリーダーと一緒にパウロがいるエペソに出かけました。コリント の教会の問題を知っているパウロに対して、教会の現状を伝えました。彼の宣教の働きが拡大するため に教会から預かった愛の捧げものを手渡し、共に祈り深い交わりの時を持ちました。この箇所を詳訳聖 書で見ますと、「あなたがたの霊と私の霊とに元気を回復させてくれた」となっています。パウロは強い信 仰者ですが、時には信徒の励ましが必要でした。このことから牧師や伝道者も弱さをかかえているので、 励ましと祈りが必要な時もあることを知ってほしいと思います。

 パウロは「こうした人々は重んじなければならない」と書いています。詳訳聖書では「深く感謝しなさい」 となっています。教会はお互いキリストの体として結び合わされている中で、ステパナは丁度体の関節の ように、お互い同志が深く結びつくために、愛の労苦を惜しまず続けた人です。私たちの教会もこのよう な働きができる方がさらに起こされるように祈ります。 参照 コリント第一の手紙 16:15~18)