大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


バルジライ


 ダビデ王は息子アブサロムの謀反のため、急いで王宮を後にして、エルサムから離れ、ヨルダン川を 越え、身の安全をはかろうとしました。マハナイムに来きた時、思いがけない助けが与えられました。そ の地の人達がダビデとその一行のために必要な食べ物を用意してくれたのです。その中心人物がバル ジライです。彼は非常に裕福な人で、ダビデがそこにいる間、ダビデとその一行を世話しました。



バルジライの勇気

 もしアブサロムが天下を取れば、ダビデの側についた人々は敵とみなされ、バルジライはこれまでのす べてを失うことになります。どちらの側につくかの決断には勇気がいったことでした。バルジライはダビデ が預言者サムエルから油注がれて、王となったこと知っていて、謀反を起こしたアブサロムには王の資 格がないと見ていたのかも知れません。またアブサロムはそれまでに、王宮の前で人々の訴えを聞くふ りをしながら、人々の心を王から盗んでいたことを聞いていたのかも知れません。



バルジライの愛

バルジライや地元の有力者はダビデ一行が急いでここに来たことで「民が荒野で飢え渇いている」と思 い、必要な食糧をすぐ持ってきました。この時彼は非常に年老いて80歳と書かれています。困った人を 助ける愛の生き方はこれまでの彼の生き方の延長です。与えることができたのは彼の心にはいつも他 の人に関心をもち、必要な人がいれば助けてきたからです。人生の豊かさは他の人に心を向ける生き 方です。



バルジライの淡白さ

戦いに勝利したダビデがエルサレムにもどる時、これまでの助けに対して大きな感謝を表し、バルジライ に是非エルサレムに来てほしいと頼みました。バルジライにとってダビデを助けたことはするべきことをし たまでのことで、それ以上の気持ちはなく、招きに感謝しつつも丁寧に辞退しました。彼は見返りを求め ない愛を行ったのです。彼の淡白さは「与えるは、受けるより幸いである」生き方で、何とさわやかな心の 持ち主でしょう。
参照 サムエル記下       17:27~29        19:31~39