大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


宿営の長 セラヤ


 セラヤは約300年程続いたダビデ王朝(南王国)がバビロンによって崩壊される厳しい時代に生きた人 物です。エルサレムの神殿は破壊され、人々はバビロンに移されていきました。ゼデキヤ王の治世の四 年(BC593)にバビロンの王ネブカデネザルに忠誠を誓うために、王と共にバビロンに行く随行者の一人 にセラヤは選ばれました。彼の仕事は宿営の長となっていますが、具体的には宮殿管理の勤めを任命 された指揮官です。後には祭司長になっています。彼は預言者エレミヤの傍で仕え、預言の言葉を筆記 していたバルクの兄弟ネリヤの子です。セラヤの心には長年エレミヤが語り続けていたユダヤ王国の滅 びを目の当たりにし、神の言葉の真実さを感じていました。

 彼がゼデキヤ王の側近の一人であるということは、王から信頼されていたことをあらわしています。預 言者エレミヤからも信頼があったということは、彼はしっかりした信仰を持っていたからです。ゼデキヤ王 とバビロンに行くとき、預言者エレミヤは彼にひとつの仕事を託しました。それは今世界を支配し、エル サレムを滅ぼすバビロンは、その力と繁栄の絶頂にあるとき、突如として破壊するという主の預言が記さ れた巻物を持っていくことでした。エレミヤから、バビロンに行ったならこの言葉を語れと命じられました。 バビロンに捕囚されたユダヤ人は帰るべき祖国を無くし、エルサレムの神殿も崩壊され、信仰心も失せ た状態です。そのような人々に対してバビロンは必ず滅ぼされ、神の恵みによってエルサレムにこと ができる希望が与えられました。失望の中にいる人に希望は大きな力になり、生きる目標となりました。

 セラヤに対して預言者エレミヤは人々にエレミヤ書50,51章に記されたバビロンの滅びの預言の言葉 を読み終わったなら、石に結びつけて、「主はバビロンを永久に荒地として、人も獣もここに住むものは いないようにされる」と言って、ユフラテ川に投げ込み、「バビロンはこのように沈んで、二度とあがってく ることはない」と言うことを誓わされました。セラヤはこの預言を信じて人々に語りました。確かにバビロ ンが滅んだ後,栄華を極めたそのところは約2500年たった今も、荒地で人が住めないところとなっていま す。ユダヤ人は神の預言通りに、エルサレムにことができました。神はどのような時代にあっても信 仰を持った人を探し、用いられます。主の再臨が近い終末の時代にも主は人を探しておられます。 参照 エレミヤ書51:59~64