大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


モーセの父アムラム


 アムラムの一生は137年であると書かれています。モーセの年齢から計算しますと出エジプトした時も 生きていたことは確かです。彼には娘ミリアムと二人の息子アロンとモーセがいて、特にモーセの数奇な 生涯を思い出す時、神の深いご計画のあることを認めずにおれませんでした。

 モーセが生まれた時、エジプト王パロはイスラエル民族があまりにも増えるので、男の子が生まれた ら、ナイル川に投げ込めと命令しました。アムラムと妻はその命令を知りつつも生まれた男の子を三ヶ月 間家で世話をしましたが隠しきれなくなり、手製の舟に赤子を入れてナイル川に流しました。なんと川に 投げ込めと命じたパロの娘に拾われ、モーセと名づけられ、姉ミリアムの機転で、実母が乳母として育て ることになりました。乳離れするまでのわずかな期間ですが、アムラムは妻と共にイスラエル人としての 信仰教育を植え付けたと思われます。

 その後モーセは宮廷で王子として育てられました。40歳の時にイスラエル人がエジプト人にいじめられ ている場に遭遇した時、エジプト人を打ち殺しました。同胞を助けたことで自分は受け入れられると考え ていましたが、拒否されました。パロはこの事件を知り、モーセを殺そうとしたので、ミデアンの地に逃れ ました。父アムラムは息子のしたことを聞いた時、モーセが同胞に関心を持ち、救い出そうとしたことで、 彼の心の中にある強い決意を感じとることができましたが前途の厳しさを思い不安も覚えたことと思いま す。しかしその後約40年近く何の連絡もなく心配しながらも、きっとどこかで生きているに違いないと願 い、祈り続けていたことでしょう。

 苦役がさらに厳しくなる中で、モーセは同胞を救出する使命を神から受け、パロの前に姿を現したと き、アムラムは息子が結婚し、子どもが二人いることも分かりました。80歳になった息子の活躍を聞き つつ、ついに出エジプトする日がきました。

   幼い時の姿からして想像もできないイスラエルの指導者となったモーセを見ながら、育てたもうは神なり と、真の人格教育は神のみ手でなされたことを悟ったのでした。