聖書の人物を訪ねて
エチオピアの宦官 エベデメレク ～苦しみの中で確 かなもの見出す～
エベデメレクはユダ王 国末期に王宮で宦官として王の側で仕えていました。王は王位にいるものの何 の権力もなく、バビロン に操られる存在でした。そのような中でエレミヤはバビロンの国に捕囚としていく
ことが神のみ旨と預言し ています。エルサレムが敵に囲まれ、食糧事情が悪化して、生きることも難しく なってきました。彼はこ の厳しい状況の中で、どう生きるべきかと深く悩み考えました。そのような中でこ
れまで自分がかかわった り、接した人のことを考える中で、預言者エレミヤの生き方が他の人と異なるこ とに気付ました。エレミ ヤは王や高官から、宗教家から非難され、時には獄に入れられても、生命をかけ
て語り続ける生き方に真 実さを見出したのです。
エレミヤが語る言葉に 反感を持つ人たちが泥だらけの穴にエレミヤを放り込みました。エベデメレクは 王の前に行き、「このま まですとエレミヤは餓死します」と嘆願すると、王は「彼が死なないうちに穴から引
き上げなさい」と言われ たので、急いで王の倉にある衣服室に行き、古着を取り出して綱を作り、穴の中 に投げ入れエレミヤを救 い出しました。そのことが起こってしばらくしてユダ王国はバビロンに滅ぼされ、
王宮や神殿、民家も火で 焼かれ、城壁は破壊され人々は捕らえられバビロンに移されました。
エベデメレクはエルサ レムが崩壊する直前に、エレミヤを通して「行って、エチオピヤびとエベデメレク に告げなさい、『万軍の 主、イスラエルの神はこう言われる、わたしの言った災をわたしはこの町に下
す、幸をこれに下すので はない。その日、この事があなたの目の前で成就する。主は言われる、その日 わたしはあなたを救う。 あなたは自分の恐れている人々の手に渡されることはない。わたしが必ずあな
たを救い、つるぎに倒れ ることのないようにするからである。あなたの命はあなたのぶんどり物となる。あ なたがわたしに寄り頼ん
だからであると主は言われる』」（エレミヤ３９：１６～１８）と主の預言を頂きまし た。
エベデメレクは人生の 一番難しい状況の中でエレミヤが語る預言を通して生きる答えが与えられまし た。現代も不安な時代で すが、確かな答えを聖書の中に見出す人になろうではありませんか。
参照 エレミヤ３８： １～１３
エレミヤ ３９：１５～１８