聖書の学び
「無益な者から有益な者に」
ピレモンへの手紙8-21節
この手紙はパウロがローマの獄中からコロサイ教会の信徒ピレモンに送ったもので、同時に届けられたコロサイ書と併せ読むと、より深く理解できます。2通は兄弟テキコとオネシモに託されました。このオネシモはピレモンの家から逃亡した奴隷でしたが、彼は何らかの理由で獄中のパウロを訪れて福音を心に受け入れ、無益な者から有益な者[ピレ11]に変えられたのです。当時のローマの法律では、逃亡奴隷は死刑だったため、パウロはオネシモを主人のもとに送り返す決断を慎重な配慮をもって行いました。まずピレモンに命令ではなく依頼の形[ピレ8,9]を取り、オネシモの負債は自分が返済すると約束[ピレ18,19]し、またキリストにあっては主人と奴隷の差はない[コロ3:13]と記し、オネシモ一人ではなく忠実な兄弟テキコを同伴させたのです。放蕩息子の譬話[ルカ15:11-32]のようにオネシモは悔い改め、ピレモンは赦した事でしょう。私達も彼らの立場に立つ時、御心に従って悔改めや赦しを成し、或いはパウロのように自己犠牲できる者となって、主の目に有益な者としていただきましょう。