大阪城東福音教会

メッセージ

「信仰をもって近づこう」

牧師 大倉 昭元


   「人々が中風の者を床の上に寝かせたままでみもとに運んできた。
   イエスは彼らの信仰をみて、中風の者に『子よしっかりしなさい。
   あなたの罪は許されたのだ』と言われた」(マタイ9章2節)

 もしわたしがその場にいたとするなら、この中風の男をみて、かわいそうに、大変つらいだろうと同情したことでしょう。けれどもイエス様の視点は私達と異なります。外側からではなく内側すなわち本質をごらんになるお方です。罪は複数形ですので、彼は病い以上に数多くの罪で苦しんでいたことがわかります。『人の心は病苦をも忍ぶ、しかし心の痛むときは、だれがそれに耐えようか』(箴言18章14節)親しい人にも打ち明けることができず悩んでいたのです。

 イエス様は内側にある信仰もごらんになられるお方です。中風の男と彼を連れてきた友人達はこの不治の病いもイエス様ならいやして下さると信じてきたのです。中風は原語で『片方のゆるんだもの』という意味があります。彼はどれ程善なる意志があっても何もすることができません。これは人間のかかえる大きな悩みの一つです。まじめに生きていこうとする人程このことで悩み苦しみ、できない自分、ダメな自分を見い出しては自信を失っていくのです。

 これまであなたは問題が起こった時どのような答えを出していたことでしょうか。これからは、あなたの努力や熱心がむくわれない時、絶望の中で、あァーイエス様と呼び求めていこうではありませんか。答えのない人生はむなしいものです。中風の男とその友人のようにイエス様ならばできると信じることです。彼らは信仰をもっていたために必要な答えを得ることができました。イエス様はあなたの弱さもよく御存知です。みもとにいくとき、どうぞイエス様を信じて近づくものとなろうではありませんか。




*大阪城東福音教会記念誌『福音のしもべ』より城東福音ニュース1985年 9月号を掲載いたしました。