メッセージ
「身内の救い」
創世記 19:12
フェイスチャーチ牧師 中村 浩幸
創19章ロト救出の緊迫した場面で、二人のみ使いはロトに言います。「他に身内の者がおりますか? あなたのむこ、むすこ、娘およびこの町におるあなたの身内の者を、みなここから連れ出しなさい。」ソドムの町を滅ぼそうとしているとき、み使いはロトを救うだけでなく、その家族をも救おうとされました。アブラハムがとりなしのとき、「一人でも義人がいたならば」ではなく、10人でやめたのも家族単位で考えていたからなのだろうと思わされます。私たち人間はひとりであると同時に家族が単位なのであり、その大切さ、その愛の大きさを神は知っておられるのです。
現代でも、主は私たちを救おうとされるとき、私たちだけでなく、家族にも思いを向けてくださいます。しかし、本人が信じることなしには天国へ入ることはありません。それはとりもなおさず、あなたの大切な身内がいつかきっとイエスさまを信じることを意味しているのです。
以前私が所属していた教会での出来事で、一人のA姉妹という婦人が映画会を通じて私たちの教会に転会してきました。奥さんは熱心なクリスチャンで毎週のように、教会の礼拝に出ていました。しかし、ご主人はもう何年も頑なにイエスさまを拒んで、「信じるつもりはない」と言い切っていました。それでも、彼は毎週の礼拝に奥さんを車で送迎してあげていました。
そんなある日、ご主人が病に倒れ、病院に緊急入院しました。そこに、ミッション・バラバのT先生という伝道者が入院先を訪れ、福音を伝えたのです。ご主人はその時、男泣きに泣いて、手を取りながら、「信じます!信じます!」と繰り返しました。その後、私と家内も入院されているご主人を見舞いに行って、ベットで手を取り、真剣にお祈りしました。すると、その時も涙を流しながら、「信じます!」と繰り返したのです。(奥さんはその時、T伝道者の話を私たちにしてくださいました。)
その後、ご主人は病も治り、夫婦で私たちの所属する教会の礼拝に通うようになり、やがて洗礼も受けました。今でも熱心に信仰生活を続けておられると思います。また二人の社会人の息子さんもおられましたが、彼らもきっと救われることでしょう。ひとりの人が救われるというのは、まさしく神の領域であり、私たち人間が思い測れることではないということをこの出来事で気づかされました。
ノアの家族もまたノアと共に箱舟に入って救われたことを思い起こします。「あなたと家族とはみな箱舟に入りなさい。」(創7:1)どの時代にあっても、父、母、夫、妻、そして子供たちはかけがえのない存在であり、必ず、祈り続けるならば、彼らはイエスさまを信じ、救われてあなたと共に天国の住人とされます。
その後、フェイスチャーチを始めたばかりの頃、私の家内がある病で突然入院することとなりました。それまで所属していた教会から、ただ一人、お見舞いにきてくださった方がいました。それはA姉妹のご主人でした。私たち夫婦にとって、決して忘れることのない出来事です。