大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


エジプトの助産婦 シフラとプア


 兄たちに売られてエジプトに連れていかれたヨセフは王の夢を解くことで宰相になりました。カナンの地 が長期にわたって飢饉の状態になり、父ヤコブとその一族を助けるためにエジプトに招きました。その結 果イスラエル人たちが急激に増え、エジプトの王は外国人の敵が攻めてきたときに、彼らが敵と協力を するなら大変なことになると思いました。そこで助産婦の責任者のシフラとプアに対して「イスラエル人の 家庭に男の子が生まれたら殺すように」と命じました。そうするならイスラエルの女はエジプト人としか結 婚できなくなり、イスラエル人が減少すると考えたのです。

 彼女たちが再度王の前に呼びだされたのは王が厳しく命令を下したにもかかわらず、イスラエルの家 庭に男の子が生まれても殺さなかったためです。助産婦は王に対して「ヘブルの女は健やかで私たちが 行く前に産んでしまうのです」と返事をしました。嘘をつくことは正しことではありませんが彼女たちは命に 関してたとえ赤ちゃんであっても決して殺すべきではないという考えを持つようになり、王の命令を拒んだ のです。当時のエジプトの助産婦のやり方は妊婦の家庭に行き、健康状態を調べ、赤ちゃんを取り上げ た後、母親が元気になるまで世話をします。彼女たちがイスラエル人の家庭に出入りして、交わる中で命 とは創造主である神から授かるものであることを教えられたのです。これまではただ赤ちゃんを上手に取 り上げることが助産婦の仕事と考えていましたが、命を与える創造の神に対して畏敬の念を持つように なり、王の命令に従うことができなくなったのです。口語訳では神は助産婦の家を栄えさせられたとなっ ていますが、ヘブル語訳では「その信仰心のゆえに、助産婦たちも子宝に恵まれた」となっています。こ の訳からすれば彼女たちは神を信じ、長年子供が欲しいという願いを持っていた中で、創造主に祈るこ とで待望のこどもが与えられ、喜びの生活に入れられたことが分かります。

 人生において私たちも毎日の生活の中で起こる出来事に対して大きな決断、小さな決断をしながら生 活をしています。最近憲法を改正しようする動きがあります。今は信教の自由が認められていますが、今 後どうなるか分かりません。どのような時代になっても生き方を決める時の基準は助産婦のように神の 側に立って考え、決めていくことです。 参照 出エジプト記 1:8~21