大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


聖書に精通し、雄弁なアポロ


 アポロはアフリカの地中海に面し、地中海の真珠と言われるアレキサンデリヤ出身のユダヤ人です。ア レキサンダー大王がエジプトを征服し (BC332)、アレキサンデリヤを地中海からアラビア、インドまでの貿易の中心となるように計画しまし た。人口も百万人増え、その後当時の世界の教育と哲学の中心地となりました。多くのユダヤ人が移り 住み、ヘブル語の旧約聖書からギリシャ語へと訳され、それは七十人訳聖書と呼ばれています。彼はそ のような環境の中で育てられ、バプテスマのヨハネの教えが伝えられると、悔い改め、バプテスマのヨハ ネの名によって洗礼を受けました。

 エペソの町にあるユダヤ人の会堂でアポロは聖書から詳しく話をしていました。その話をきいていたプ リスキラとアクラの夫婦は彼の信仰理解に不十分な点があることに気付き、主の恵みはバプテスマのヨ ハネの悔い改めの教えからさらに進み、イエス様は預言のとおりに救い主として十字架に架かけられ、 死に、よみがえり天に帰られ、聖霊の祝福を与えておられることを話しました。伝道者が信徒夫婦から聖 書の話を聞いたことはアポロが真理を重んじ、いかに謙虚な人であるかが分かります。彼はイエスがキ リスト(救世主)であることを明確に悟り、奉仕場所をユダヤ人の会堂から教会に移し、イエスこそ神であ ることを聖書に基づいて力強く語り始めました。そのように語れたのはそれだけ旧約聖書に深く精通し、 救い主としての預言がイエスの生涯で明確に成就していることが理解できたからです。

 アポロはコリントの教会に行き、説教する中で、彼に従うグループが生れました。分派を作るためでは ありませんが、それだけ魅力的な人物であったと言えます。彼は信じるだけで与えられる救いや心の平 安、天国に行ける希望の恵みを旧約聖書から語っていました。しかし聖書の真理と違った教えに対して は容赦なく間違いを指摘し、人々に何が真理であるかを納得させる雄弁さを持っていました。伝道者にな る前に身に付けていた旧約聖書の知識や雄弁さが大いに用いられ、み言葉を聞く人たちに祝福を与え つつ、各地の教会で良き働きをしました。 参照 使徒行伝18:24~28