聖書の人物を訪ねて
主の律法を発見した大祭司ヒルキヤ
ユダ王国のヨシヤ王の時代(BC649~609)に起こった出来事です。ヨシヤ王は父アモンが偶像礼拝を 行い国を汚したことに心を痛め、16歳の時から先祖ダビデの道を歩み始めました。ヨシヤが26歳の
時、主の宮が破損したままなので修復工事を命じました。マナセ、アモンと偶像を信じた王が続いたの で、主の宮の荒れかたは相当ひどかったようです。ヨシヤ王は様々の刻んだ偶像を壊し、粉々にして、そ
れらには何の力もないことを明らかにしました。
神殿の工事をしていた時、思いがけない所から律法の書が見出されたのです。律法の書が見つかった のは主の宮と書かれてありますが、長年見つからなかったということは、いかに律法がおろそかにされて
いたかという証明であり、ただ習慣的に祭りごとがなされていたと言うことです。まさかこのようなところに と思いがけないところか、または何かの物の下にでも置かれていたのでしょう。律法の書とはモーセが記
した旧約聖書の創世記から申命記の五巻のことです。ヒルキヤは律法の書を手にした時、これまで伝え られてきた神の言葉を読むことができる喜びを感じ、彼自身が大祭司として執り行っている宗教的行事
に対して確認し、より正しい礼拝を行えると考えたと思います。
ヒルキヤはこれまで多くの王が偶像礼拝に走ったのは神の言葉を信じなかったためで、今ヨシヤ王が この律法の書を読めば、宗教改革がもっと推し進められると考え、書記官を通して王に律法の書を手渡
しました。王は書記官が律法の書を読むのを聞きながら、神の言葉に深く心を刺され、当時の習慣とし て着物を裂き涙を流して深い悔い改めを表しました。律法の書の恵みによって心を変えられた王は国中
の人達を集めそれを読み聞かせ、み言葉に従って生きるようにと語りました。
ヒルキヤは王がみ言葉に立って正しく国を治める事を喜びました。大祭司ヒルキヤは多くの祭司やレビ 人の協力を得ながら、律法の書に書かれたとおりの過ぎ越しの祭りを行いました。それは預言者サムエ
ルの時代以来のことでした。律法の書が見つかったことで王の心にはっきりした信仰が与えられ、さらに 徹底して偶像が取り除かれ、きよめられていったことで、ヒルキヤは神の言葉の素晴らしい力に深く感謝
したことでした。
参照 歴代誌下 34:1~35:19