大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


神の箱を預かったオベデ・エドム


 彼はイスラエル人ではなく、ガテ出身のペリシテ人です。その彼がどうしてダビデ王から神の箱を預か ったのかと考えると不思議です。ダビデがサウル王の嫉妬のため命を狙われガテの地に逃れた時期が あります。その後ダビデが王となった時、600人のガテ人がダビデの軍隊に加わっています。多分オベ デ・エドムは以前からダビデと交わりがあり、信頼関係もあったと思われます。

 ダビデはサウル王と違って神に祝福を求めて生きる信仰者です。30歳で王になった時、神の箱をエル サレムに運ぼうとしました。神の箱はぺリシテ人との戦いの時、戦場に運ばれ、戦いに勝利しようとしまし た。しかし、罪を犯し形だけの礼拝を行う祭司の願いに反して、戦いに敗れ神の箱も奪われてしまったの です。ぺリシテ人は神の箱をどのように扱うべきかを理解せず粗末にしたために、ペリシテ人の偶像が 壊され、それを恐れた彼らは神の箱をイスラエル人の住む所に戻したのです。

 ダビデは神の箱をエルサレムに運ぶため新しい牛車に載せ先頭に立って喜びを踊りで表わし進む途 中、牛がつまずき、そばにいたウザが手を伸べて抑えた時、彼は神に撃たれ、賑やかなパレードは一瞬 にして恐怖につつまれました。パレードは中断され、ダビデはその近くに住む神を信じ信頼するオベデ・ エドムに神の箱を預けたのです。オベデ・エドムは神の箱はどうして作られたのか、なぜ敵に奪われたの か、またウザがなぜ死んだのか、その理由をきっと調べたことでしょう。そして神の箱は神の臨在が目に 見える形で表わされていることで、神に対する畏敬の念が必要であることを学び、大切に扱ったのです。 オベデ・エドムは家にいるすべての者に対して神の箱には神の臨在があり、大切に扱うように話しまし た。神の箱を置くにふさわしい家にするため、綺麗にすると同時に、もし偶像や汚れた物があれば、それ らも処分したことでしょう。神は心をご覧になられるお方です。オベデ・エドム全家の者を祝福されたという 事は彼ら一人ひとりが神を信じ、敬虔さを持って過ごしたからだと思われます。

 神の箱がオベデ・エドム家に3ヶ月間置かれている間,目に見える形で全家が祝福されたと言う事を周 りの人たちが認めるところとなり、そのうわさはダビデ王にまで届きました。この後神の箱は聖書にしるさ れたとおりにレビ人によって担がれてエルサレムに運ばれました。   参照 サムエル記下6:6~11