大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


べテルの祭司 アマジヤ


 ソロモン王死後(BC922)、国はイスラエル王国(北)とユダ王国(南)に分裂しました。北王国の最初の 王ヤラベアムⅠ世(在位BC922~901)は人々がエルサレムに礼拝に行かないようにするため、国内二 箇所に牛を神として拝む場所を造り,その一つをべテルに置きました。ヤラベアムⅠ世はエジブトで長い 間生活し、民衆の心をつかむためエジブトで行われていた子牛礼拝を導入しました。このことは偶像礼 拝を取り入れてでも、人心をつかもうとする王の悪知恵でした。偶像礼拝の罪は国が滅ぼされる原因となり ました。人間は真理が判らないと、宗教行事や習慣に巻き込まれてしまうのです。

 南王国から来た預言者アモスは領土を拡大し,経済的に発展させたヤラベアムⅡ世(在位786~74 6)の死を宣言し、宗教と道徳が腐敗したイスラエルは捕囚されると預言しました。この預言を聞いた人 たちはさぞかし動揺したことでしょう。祭司アマジヤはこの言葉を聞いて、怒りを表し、アモスに対して自 分の国ユダにように、そして二度と預言をしてはならないと命じました。彼は祭司ですが聖書が認め るようなアロンの系図の人物ではありません。彼は神の言葉に耳を傾けることなく、心を硬くして反発す るだけです。それは彼自身が祭司としての立場を守るためです。

 アモスの預言に対して、アマジヤは自分の心を探ることもなく、その意味を悟ることなく、よくない預言を すると言うことで厳しく反対しました。主はそのようなアマジヤに対し、「あなたは汚れた地で死ぬ」とはっ きり語られ、彼の家族にも裁きが下されました。家族の者も神の言葉に対して逆らい、偶像礼拝の道を 歩んでいたことがわかります。彼の心の目は閉ざされており、真理が判らず、ただ祭司として宗教行事を 司る宗教家に過ぎません。彼が祭司の勤めをしていたことで、人々は子牛を神として拝み、間違った礼 拝をさせられていました。そのことは神の裁きを受ける大きな罪です。 今日もさまざまな宗教があり、多くのアマジヤがいます。主を信じる者として,アモス(重荷を負う者の意) のように、主の恵みを伝える人となろうではありませんか。  参照:アモス書7:10~17