大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


アザニヤ ~エルサレムの長老の一人~


 エゼキエルがバビロン捕囚された後、バビロンで預言者の務めをしていた時です。 BC591年に神の 霊に引き上げられて、彼は瞬間的にエルサレムに導かれ、エルサレムが滅ぼされた理由をはっきり見 せられたのです。ユダヤ人の先祖はアブラハムで、その子孫であるダビデが王となりました。その王朝 は300年ほど続きましたが、偶像礼拝に走り、多くの預言者がその罪を責めたのですが、最後は当時の 世界の強国バビロンに滅ぼされ、ほとんどの人は捕囚として、バビロンに連れて行かれました。

 信仰が失われると人は目に見える偶像に心を向け、その愚かさに気づきません。エルサレムに残って いる人々は何故国が滅び、捕囚にされたのか判っていません。エゼキエルはある部屋に導かれ、イスラ エルの長老70人がもろもろの偶像が描かれた部屋に集まり香をたいて祈っている中に、シャパンの子ア ザニヤがいるのを見ました。(エゼキエル書8:11)彼の名前が記されているということは70人の中でも 筆頭格の人物だったからでしょう。エルサレムに残った人たちの中で王ゼデキヤを中心として国を守る べき70人の長老たちが、誰も見ていないところで偶像に心を向けていたのです。今日でも自分の願いが かなえられるものならと簡単に偶像に心を傾けている人は多くいます。日本の政治家の中でも、選挙に 勝つために神社で勝利祈願をしてもらったり、占い師のところに出かけます。あるアメリカの大統領夫人 もサンフランシスコの占い師によくみてもらったと言われていました。 

 70人の長老は隠れた暗いところでしているので誰も知らないと思っても、神は全てをご存知であること を明らかにしました。暗闇は単に暗いだけではなく、悪霊の大きな影響を受けます。どうして70人の中 で、アザニヤの名前だけが出ているのかが気になるところです。彼の父シャパンを調べてみますと、大祭 司が神殿で見つけた律法の書を書記官シャパンがヨシア王に読み聞かせた時、王は涙をながして悔い 改め、へりくだり、国内の偶像を一掃しようと宗教改革を断行しました。(列王紀下22:3~23:25)もし そうであるなら父は王と心を合わせて宗教改革に加わっていたのにも関わらず、神がもっとも嫌われる 偶像礼拝をし、70人の中でも神の目には悲しむべき人物であり、そのような愚かしい人間にならないよう にという警告ではないでしょうか。