大阪城東福音教会

聖書の人物を訪ねて


バラム


 出エジプトしたイスラエルの民がヨルダン川に近づいた時、モアブの王バラクと民は恐れをなしました。 なんとしても自国を護るために呪いを用いてでもと遠いメソポタミヤの地からバラムを招きました。モアブ の王バラクはバラムにイスラエルに呪いを下して欲しいと願い、そのためなら家に満ちるほどの金銀を 差し上げますと申し出ました。バラムは夢の中で行くな!と主の言葉を聞きつつも、お金に心が動かされ てしまいました。正しいことが分かっていても、自分の欲望に心が奪われると人生が狂い始めます。初め は何とかなると小さく考えますが、最後は理性ではどうすることもできなくなってしまうものです。今日もち ょっとしたきっかけではじめた麻薬、お酒、ギャンブル等で身を滅ぼす人が多くいます。

 モアブの地に向かって出発しようとしますとロバが言うことを聞かないので鞭を当てると、なんとロバが 人の言葉で「み使いが行くことを止めるのです」と言いました。ロバはみ使いを見たのにもかかわらず、 バラムの心の目は富のために閉ざされていたのです。動物が人間の言葉を語るという前代未聞の出来 事に、注意を払うべきで、主が旅を止められていることを悟るべきでした。彼がモアブに行くことは富の欲 望が満たされることで、それを妨げるものに対して耳も貸さず、モアブの地に行きました。彼は王から必 要以上に何度もイスラエルを呪うように懇願されるのですが、主なる神はバラムの口にイスラエルを祝福 する言葉を与えられ、呪いの言葉を語ることができませんでした。バラムはそのとき神がイスラエルを祝 福されていることを憶え、神が関心あることにもっと心を向け、祝福の源を知るべき時でした。この後バラ ムはモアブの王バラクにイスラエルに対して女と偶像礼拝を用いて堕落させる悪知恵を授けましたが、モ ーセはモアブの王バラクとその民、そしてバラムも滅ぼしました。バラムの死は度重なる神の警告を無視 した結果です。

 そのような彼ですが「ヤコブから一つの星が出」(民数記24:17)と預言したことで、東方の博士たちが このみ言葉からユダヤの地に救主イエス様がご誕生されたことを知るきっかけになったと思われます。 一時神に用いられても、欲望に負けるなら全てを失ってしまいます。