私の信仰
絶望から希望へ
「沼田さん…大丈夫ですか…分かりますか…」看護師たちの大きな声で漸く麻酔から覚めた私の目に 飛び込んで来た光景は家内の心配そうな顔でした。
昨年末に天井の蛍光灯を取換えようとして脚立から転落して立ち上がることが出来ず、そのまま救急 車に運ばれ即入院となりましたが、時悪く病院は年末休みに入ったばかりで手術スタッフが揃わずベッド
の上で悶々と痛みを堪えて過ごした5日間は私にとって正に地獄の苦しみでありました。
年が明けて4日目、漸く左手肘の骨折手術が朝9時過ぎに始まり終わったのが昼の2時頃と5時間余 りの大手術でした。その時は自分の左手の指が動かなくなるとは予想だにしていませんでしたが、後に
過酷な現実を知らされ絶望の淵に陥入れられたのです。「ああ、どうしよう…もうピアノが弾けなくなる」そ う思っただけで人生すべてが終わったように感じたのです。それから私の長い入院生活が始まり猛烈な
指の痛みとの闘いが続きました。左手の薬指と小指は麻痺して全く動かず、他の3本の指も殆ど硬直し たままで電気に打たれたような痺れが続き、毎夜襲って来る強烈な痛みに耐え切れず何度枕を濡らした
ことでしょう。
夜中、余りにもの痛みに寝ることが出来ず「主よ、どうか助けて下さい。今この痛みを取り去って下さ い」と悲痛な叫びを上げざるを得ませんでした。手術から1週間ほどして漸く痛みが和らぎましたが、私の
心に平安はありませんでした。それは、「私は不具者になってしまった。もうピアノは弾けないんだ」と諦 めてしまっていたからです。しかし、入院中に大倉先生を始め多くの兄弟姉妹が御見舞に来て下さり落ち
込んでいる私を励まして下さいました。主治医から「指が動くようになるまで半年から1年かかりますか ら、覚悟を決めてリハビリに励んで下さい」と言われ、入院してから3週間ほどで退院し半年に亘る左手
のリハビリが始まりました。先月の半ばに3度目の手術が終わりましたが、何と絶対動かなかったあの 薬指と小指が辛うじて動かせるようになったのです。
ハレルヤ!聖書の御言葉に「主は言われる、わたしがあなたがたに対していだいている計画はわたし が知っている。それは災を与えようというのではなく、平安を与えようとするものであり、あなたがたに将
来を与え、希望を与えようとするものである。」 今、私はこの御言葉によって励まされ支えられていま す。主は今も生きておられ私の内に素晴らしい癒しの御業を現わして下さったことを心より感謝していま
す。最後に私の癒しの為に日々祈り支えてくれた家内の労苦に感謝を捧げます。